ゆる小町。

居合道の稽古日誌を、とてもゆる~く書いています。ノウハウ集ではなく、個人の感想です。あしからず。

【稽古日誌】撲殺はかわいそうだから斬殺してあげて

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先生

君は撲殺してるんだよ。撲殺はかわいそうだから、斬殺してあげてね。

 

斬るのがうまい人に斬られると、斬られた人は、斬られたことに気づかないそうですね。スパッときれいに斬られると、全然痛くないから、斬られたことに気づかず、そのまま2、3歩あるいちゃうとか、、、?

本当かどうかは分からないけど。合法的に確かめる方法も思いつかないし。

 

 

はじめに

居合は形(かた)稽古です。実際に人とか藁とかを斬るわけではありません。なので、あたかも敵を斬ったかのように演じなければなりません。

どうしたら 斬ったように見えるのか、長年の課題でした。というか、未だに課題です。たぶん、永遠の課題です。

解決した訳ではありませんが、マイルストンとして、今までやってきたこと、ふと思いついたことを残しておきます。(あくまで個人の体験談です。)

 

目標

仮想の敵に、「あなたに斬られてよかった~。全然痛くないわ。」と思われたい。

 

なんで撲殺になっているのか考えてみました

「刀の振り方」という技術的な観点で、なんで撲殺に見えるのかを考えてみました。

「魅せ方」という芸術的な観点で考えたこと(視線とか気迫とか)は、また別の機会にまとめたいと思います。

 

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撲殺ってことは、叩き斬りになっているってことです。

叩いているか否かを確かめる方法として、(木刀で)新聞紙を斬ってみる、というのがあります。

まず、新聞紙を1枚広げます。新聞紙の左右の端と端を誰かに持っていてもらいます。

そして、新聞紙の中央めがけて木刀を振り下ろして、新聞紙を真っ二つに斬ってみます。

斬り方が正しければ、新聞紙が真っ二つに裂けます。

一方、叩いていたら、新聞紙がくしゃっとつぶれてしまって、斬れないんですよ。 

(はい、私、斬れませんでした。。)

 

心当たりとしては、、、

・手首のスナップを効かせてしまい、切っ先の方が落ちるのが早い。

・刀をとにかく素早く振り下ろそうとして、腕の力で、刀をブンブン振り回している。

かなぁ、、、?

 

手首のスナップを効かせてしまい、切っ先の方が落ちるのが早い

私の周りでも、高校時代に剣道部だった人は、叩き斬りになりがちでした。剣道経験者に多い振り方かな?と思います。私も居合を始めたばかりのころは、竹刀と同じような振り方をしていました。

剣道だと、竹刀を振り下ろすのは面の位置までですが、居合では、ヘソの高さで水平になる位置まで刀を振り下ろします。(敵の頭上からヘソまでを斬りとおすイメージ)

竹刀の振り方と同じように、手首のスナップを効かせた状態で、刀を振ってしまうと、面の位置からヘソの高さの位置までの間、手元よりも切っ先の方が落ちるのが早くなってしまいます。これは、叩く動作であって、斬る動作ではありません。例えるなら、肉を柔らかくするために、こん棒で肉を叩くときの動作と同じ感じでしょうか?

 

刀をとにかく素早く振り下ろそうとして、腕の力で、刀をブンブン振り回している

大きな刃音が出た方が、斬れたように見えるのではないか?との勘違いから、力任せに振っていた時分がありました。

力任せに振ると、確かに刃音は大きくなるんですが、「ビュンッ」という風を切る音が大きくなるだけです。例えば野球のバットとか、長いものを振り回せば出る音です。

理想の音は、「ピュンッ」という乾いた音です。

私よりも小柄な女性でも、「ピュンッ」と斬る方がいます。結局、腕力じゃないんですよね。

 

 

対策としてやってみたこと

壁に対峙して、壁を斬らないギリギリのところで素振りする

居合では、敵は交刃の間にいるので、そんなに腕を伸ばす必要も、スナップを効かせる必要もありません。

壁に対峙して素振りする場合、腕を伸ばして、スナップを効かせた振り方をすると壁を斬ってしまいます。刀を破損したくないので、壁に対峙して素振りすると、切っ先を飛ばそうとする振り方をしなくなります。

自然と、叩く振り方が改善されました。

 

肩甲骨を意識して振る

よく、肩から振るんじゃなくて、肩甲骨を意識して振れと言われます。(背中から刀を振る、と表現されることもあります。)肩甲骨からごっそり回す感じです。

 

そこで、まず1ヶ月くらい、「肩甲骨はがし」 体操をしてみました。

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始めたばかりの頃は、肩を回すたびに、ゴリゴリ不穏な音が。。だいぶ凝り固まっていたようです。1カ月も続ければ、肩甲骨と背中の間(?)に手が入れられるようになりました。

 

実感として、確かに肩甲骨の可動域が広くなった方が、気持ちよく振れました。

 

なんでかなぁ?と考えてみたところ、

肩から振るよりも、肩甲骨から振った方が、腕の長さが長くなったようなものなので、つまり、トルクが大きくなるのか! と納得しました。

 

肘を使う

また、肘を使え、ともよく言われます。刀を振りかぶった状態から、刀の切っ先は自分の頭上に残したまま、肘を先に落として振れ、という意味です。イメージとしては、上腕と前腕が一体として動くのではなくて、上腕が下がった後に前腕が動く感じです。

でも、なんで肘?ってずっと納得がいかなくて。。

だって、肘が先に落ちたら、振りが小さくなるじゃん?肩(肩甲骨)から弧を描くように上腕と前腕とを一体として動かして、円の半径を大きく振った方が、迫力が出るんじゃないの?って思っていました。

 

でも、実際に肘を使って振ってみたら、確かに切っ先が走る感じがありました。

 

なんでかなぁ?と考えてみたところ、 鞭の原理か!と納得しました。

 

手の内

手の内を絞るタイミングを改善中です。

本来ならば、敵の頭上に打ち込んだタイミングで、手の内を絞ります。でも私は、斬り下ろしのタイミングで刀を水平で止めるために手の内を絞っていて、敵の頭上よりも低いところで絞り始めている、つまり絞るタイミングが遅いのではないかと思っています。

 

呼吸

呼吸を止めて斬っている時があるので、呼気のタイミングで斬れるように改善中です。

呼吸を止めて斬ったときは、ガツンという斬り方になります。一方、呼気のタイミングで斬ったときは、スパッという斬り方になります。(擬音語でしか説明できない。。)

 

結局、体幹を鍛えたことが一番効果があったように思う

斬りをよくするためじゃなくて、たまたま気まぐれで、プランクを30秒から2分に増やしてみたんですよ。

 

体幹が鍛えられたことで(といっても、まだまだ弱いですが。あくまで自分比です。)、演武中にも自然にお腹に力が入るから、肩とか腕に余計な力が入らなくなりました。

 

さらに、斬りに冴えがでてきたり(※自分比)、刀の勢いに負けて前につんのめることもなくなったしで、いいことづくめでした!

 

たぶんプランク30秒だと、全然負荷がかかっていなくて、トレーニングになっていなかったんだと思います。筋トレはしんどくてナンボですね。。

 

もちろん、「対策としてやってみたこと」で挙げたテクニックも大事です。手の内と呼吸は是非とも改善したいです。

でも、撲殺になっていたのは、結局、基礎(体幹)ができていなかったことが一番の原因だと思います。。。

 

「腕で斬るな、足で斬れ。足で斬るな、腹で斬れ。」ってホントだわ。 

 

 

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