私は女優よ!私に主演女優賞をよこしなさい!!
と思いながらやってごらん。
はじめに
居合は形(かた)稽古です。実際に人とか藁とかを斬るわけではありません。なので、自分で仮想の敵をイメージして、その敵をあたかも斬ったかのように演じなければなりません。
どうしたらスパッと斬れたように見えるのかについて、
以前、「刀の振り方」という技術的な観点で考えてみました。
今回は、「魅せ方」という芸術的な観点で考えてみたいと思います。(考えたけど、結論は出ていないです。)
演武の心得
全日本剣道連盟居合
補足(六)演武の心得
演武はすべて、充実した気勢、正確な刀法、適法な姿勢、いわゆる「気・剣・体の一致」を心がけ、全身全霊を打ち込んで真剣勝負の心境で「行ずる」心がけが大切である。
居合道の教本には、「気剣体を一致」させ、「行ずる心」で演武をしなさいよ~と書かれています。
先生にも、よく「女優になった気持ちで演じろ!!」と言われます。
仮想の敵ってどんな敵?
仮想の敵は、都合のいいことに、自分と同じ背格好で、自分よりもちょっと弱い敵です。
なので、演武においては、必ず私が仮想の敵に勝たせてもらえます。
自分が強くなると、仮想の敵も強くなります。(でも、自分よりはちょっと弱い。)なんか、ゲームのレベル上げみたいですね。
複数の敵がいるときも、1人ずつ、私に斬られるのを待っていてくれます。時代劇の殺陣のシーンみたいですね。
でも、仮想の敵がちょっと弱いことに甘えてタラタラ斬ってたら、演武としてつまらんのですよ。
剣道もしている人は、敵の想定が上手!?
剣道では、実際に相手と相対している状況で間合いを把握できます。
居合道でも、その間合いの感覚が生きるようで、「剣道もしている人は、敵の想定ができている」とよく言われます。
しかし、私は、「敵が想定できている人」と「敵が想定できていない人」との演武の違いが分かりません。ということは、まだ私は「敵が想定できていない人」ってことですね。
居合道はフィギュアスケートに似ている!?
以前、先生が、フィギュアスケートに例えて、居合道の演武について説明してくださいました。
フィギュアスケートには、技術点と芸術点があります。
4回転するのは、技術。
きれいに回転するのは、芸術。
技術+芸術の両方合わせて評価されます。
居合道も同じで、
斬るのは、技術。
きれいに斬るのは、芸術。
技術+芸術の両方合わせて演武です。
感見足腰刀(かんけんそくようとう)
芸術に正解がないように、演武にもこうすればいいよ!なんていう正解はないと思います。
ですが、(小手先の)テクニックはあります。
「感見足腰刀」とは、斬る動作をするときの起こりから静止までにおける、動作の順番を表すゴロ合わせ(?)です。
これにより、敵を想定しているように魅せることができ、芸術性アップを狙えます。
例えば自分の後ろに敵がいる想定の場合、
まず、敵の気配を感じます。
一例として、目の玉を動かすことで表現します。
次に、敵を見ます。
顔全体を後ろに向けるのではなく、顎を速く動かすようにすると、速く振り向いたように表現できます。
続いて、足を動かします。
膝を入れるように回転すると、速くきれいに回れます。
続いて、腰を敵に正対させます。
最後に、刀を動かします。
早く斬りたいから、刀を1番初めに動かしがちですが、実は、刀は最後です。
でも、これは所詮、小手先のテクニックです。本当に「敵が想定できている人」は、なにかプラスアルファがあるんだろうな、と思います。
でも、考えても、観察しても、分らんのです。
先生には、「あんまり頭でっかちに考えるな!湧き上がる闘志を醸すんだ!」と言われます。。
んーーー、もうちょっと迷ってみます。
記憶に残る演武をしたい
私は、試合に勝てる、強い選手ではありません。
でも、試合には勝てなくても、記憶に残る演武ができる選手になりたいと思っています。「もう一度見たい」と思ってもらえるような演武をしたいです。
先生方の演武の中でも、一際目を引くというか、脳裏に焼き付いて離れない演武ってあります。
先生!私は主演女優賞っていう柄ではないので、助演女優賞を目指そうと思います!(そっちの方が難しい!?)